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2007年 3月号 YOMIURI PC

YOMIURI PC

下記は、株式会社 読売新聞発刊の「YOMIURI PC 2007年 3月号」の引用です。

ハードディスクのデータを復元したい

作業中にパソコンの調子が悪くなり、何度か再起動をしてみたら大事なファイルが消えてしまいました。何とか復元できませんか?(群馬県 S・Kさん)

この質問は専門の方に伺いました。回答してくれたのは、データ復元ソフトや復元代行サービスを提供している日本ソフト販売株式会社のフーシャン・ハビブザデさんです。

今回のプロ:日本ソフト販売株式会社 データリカバリーセンター 技術部長
情報工学士 フーシャン・ハビブザデさん

コメント:データ復元ソフトや専門家の手で復元できる場合があります。障害発生時の状況を覚えておき、速やかにシャットダウンしてください。

ハードディスク(以下、HDD)の仕組みを理解するには、本に例えるとわかりやすくなります。本には目次があり、各章があり、本文がありますよね。これと同じように、HDDにも目次があり、フォルダー(各章)があり、データ本体(本文)があるのです。HDDの目次が何らかの原因で消えてしまうと、OSはデータ本体を参照できなくなります。ただ、これはOS上からはファイルが消えたように見えるだけで、実はデータ本体はまだ残っているのです。例えば、ウィンドウズ上でファイルの削除やHDDのフォーマットを行った場合でも、削除されるのは目次のみ。そのため、特殊なソフトウェアを利用すればデータの復元が可能なのです。

続いて、HDDがデータを読み書きする仕組みを考えてみましょう。HDDの動作中は、内部でプラッター(ディスク)が回転しており、その表面をヘッドが動いてデータを読み書きしています。そのため、ヘッドが故障したり、プラッターの表面に傷が付いた場合は、データを正常に読み書きできません。とはいえ、こうしたケースでも、ヘッドを交換したり、プラッターの正常な部分からデータを拾っていくことで、データの復元が可能です。

障害の種類は3種類

HDDの障害は、論理障害、物理障害、ファームウェア障害の3つに分類されます。

論理障害というのは、HDDにインストールされているOSやソフトウェアの不具合などから発生する障害です。このほか、自分で誤ってファイルを削除してしまったケースも論理障害にあたります。論理障害の場合は、HDDの目次とデータ本体を結ぶリンクが切れている状態です。軽度の論理障害であれば、市販のデータ復元ソフトなどで簡単に復元できます。

一方、HDDが物理的に壊れている状態ならば物理障害です。特にヘッドが故障したり、プラッターに傷が付くことが多く、こうしたケースではパソコンが正常に起動しなくなります。パソコンの電源を入れたときに、BIOS(2)画面で止まってしまう場合、本体ケース内からガタガタと異音がする場合は物理障害だと判断できます。

また、ファームウェア障害というのは、HDDのファームウェアに異常があり、HDDの名称や容量などがパソコンに誤認識されている状態です。この場合、HDDが物理的に壊れていない、論理的にも問題がないとしても、データにアクセスできません。

物理障害やファームウェア障害の復元には、専門家の手が必要になります。トラブルが発生した場合は、そのときの状況を詳しく書き留めておき、すぐにシャットダウンをしてください。再起動を繰り返したり、何度も電源を入れ直すなど、自分であれこれ試しているうちに症状が悪化する可能性があります。また、トラブル発生時に「YES」「NO」を求めるメッセージが表示された場合は、必ず「NO」を選びましょう。

平均寿命は2年余り

ハードディスクの寿命はMTBF(平均故障間隔)という数値で表示されていることが多く、メーカーやモデルによって違います。ただ、最近の人々のパソコン利用頻度を考えると、だいたい2年から2年半くらいだといえるでしょう。

これを過ぎると、何らかの論理障害やヘッドの不具合などの物理障害が起こる可能性が高くなるのです。もちろん、利用状況によってはもっと早く不具合が発生するので、日ごろから気をつけておきたいポイントがいくつかあります。

まず1つが振動です。HDDがデータの読み書きをしている最中に振動が起こると、データが正常に書き込まれなかったり、ヘッドの故障やプラッターの傷につながります。特にデスクトップ型の場合は、ノート型よりも振動に弱いため、不安定なテーブルなどに置いて利用するのはさけてください。

もう1つが通気性です。HDDは熱に弱いため、机の下などの通気性が悪い場所に設置しておくと高温になり、不具合の原因になります。そのほか、磁力などの強いノイズが発生する場所にも置かないようにしてください。

また、パソコンを終了するときは、きちんとスタートメニューからシャットダウンしましょう。電源ボタンを長押しして終了させると、正常なシャットダウン処理が行われず、次回起動時にHDDに不具合が発生している場合があります。

同様のことがUSBメモリーなどの外付けメディアにもいえます。最近は家電感覚で手軽に扱うことが多くなっていますが、きちんとした手順で取り外してください。

処分時に個人情報に注意

これまでお話したように、HDDのデータは特殊なソフトウェアや専門家の手にかかればかなりの割合で復元されます。以前、私はインターネットオークションでHDDを購入したことがあるのですが、ちょっと調べただけで、出品者の方の個人情報が次々に出てきました。後で出品者に連絡をして注意をしましたが、「何度もフォーマットしたのになぜ?」と驚いていました。しかし、ウィンドウズ標準のフォーマットだけでは何度やっても同じで、専用のデータ消去ソフトを使わなければ解決しません。ハードディスクを処分したり、他人に譲渡する場合には十分に気をつけてください。