データを二度となくさないためにはどうすればいいんですか(前編)

(はじめに)

お断りしておきますが、「○○を△△個買って□□して、データを保護しましょう。」といった、メーカー名や商品名、具体的な方法、手順の解説は一切出てきません。データ保護の完全解や結論めいたものを期待された方にはあらかじめお詫びいたします。

また、ドラゴンクエストI~IIIの重要な登場人物・セリフ・アイテム・地名・ストーリーに触れてしまう箇所がありますので、未プレイの方、クリアしていない方はご注意ください。

勇者ロト三部作の旅の記録方法を、わたしの個人的な思い出を織り交ぜて振り返りました。
DQI~IIIのことを十何年ぶりに思い出してみると、「ふっかつのじゅもん~ぼうけんのしょの変化の過程」と現実社会での「紙データ~電子データの変化の過程」に共通点がたくさんあることに気付かされます。

紙データと電子データのそれぞれについて、前々回での「ふっかつのじゅもんとぼうけんのしょ まとめ」に似た表にしてみました。

紙データと電子データ
種類 電子データ(電子ファイル) 紙データ(紙文書ファイル)
どんなもの 仕事や生活のことを記録し、必要な時に閲覧や加工ができる
保存方法 人の作業をコンピューターが記録してくれる 人の作業を人が保管する
保存場所 ハードディスク、フラッシュメモリなど キャビネットやたんす、金庫など
1ファイルの実体積
小さな記憶媒体に何万ファイルも格納できる

かさばる。数が増えると収納空間が不足する
探しやすさ 名前や日付から楽に検索でき高速 数の増加や時間経過にしたがい検索しにくくなる
保存の限界 記憶媒体の空き領域の限界まで 家や事務所の収納スペースの限界まで
保存場所の性質・リスク ★もろい ★劣化が見えにくい
★記憶媒体が中のデータともども壊れる
頑丈(に作られることが多い)
盗難や紛失、焼失などは起こり得る
データがなくなると? ★ ビジネスでもプライベートでも、データが消えると絶体絶命。
仕事・家庭・趣味・恋愛・友達関係などが続行不能になってしまう。(前日までのバックアップがあればそれで再開できる。なければ作り直し)
唯一無二のデータの場合、人生の危機もありうる。
保存場所の拡張性
安価(家や事務所やキャビネットに比べて。) 増設しやすい

家や事務所を広くするのは高価
データの複製 ★速い ★簡単 ★多くの場合無料 遅い 簡単でない 多くの場合有料

この表をもとに、第一回の「データを二度となくさないためにはどうすればいいんですか」の疑問をあらためて考えてみたいと思います。

【その1・予備知識】

この表で注目したいのは、電子データを保管する記憶媒体の性質「★もろい ★劣化が見えにくい ★記憶媒体が中のデータともども壊れる」の部分で、ほとんどすべての記憶媒体に対して確実に言えることです。
(天敵の多いDQIIIのカセットとぼうけんのしょにも、同じことが言えます。)
これは、DQのアイテムでたとえると、「いのりのゆびわ」(DQII・IIIで登場)の性質に近いです。

「いのりのゆびわ」はDQIIでは非売品、DQIIIでも入手方法が限られています。
どういう仕掛けかは分かりませんが、指にはめて祈るとマジックパワー(MP)を回復してくれるありがたいアイテムです。しかし、何度か使うと壊れてしまいます。きっとこの性質が、プレイヤーに「これを失いたくない」と思わせるのでしょう。

DQシリーズのアイテムは大きく「なくなるアイテム」「なくならないアイテム」に分かれるので、数あるアイテムの中でいのりのゆびわは異色の存在です。DQIIIでは、
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃*「なにも してあげられませぬが
┃  おくりものを さしあげましょう。


┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
のイベントでイシスの女王様から入手したプレイヤーが多数派だと思います。

現代社会のことにたとえてみますと、いのりのゆびわは記憶媒体に、ゆびわに込められた力は電子データに置き換えることができそうです。

実際の話、今日正常そうに見えるパソコン、外付けハードディスク、フラッシュメモリなどはどれも、使い続けていけばいずれは壊れてしまう消耗品なのです。壊れる前兆を示してくれればいいのですが、短期間の使用でも前兆なしで突然壊れたり、前兆が出ていることに利用者が気付けなかったり、ということが多いです。
また、高信頼性と書かれたものでもエンタープライズ向けの高額なものでも、低価格のものより壊れにくいだけであって、壊れないということにはなりません。

記憶媒体の内蔵された機械が人間の生活の隅々にまで浸透してきた現代ですが、「はかないものの中に重要なデータを記録していること」「記憶媒体が重要なデータともども壊れること」「コンピューターのお手入れやデータのバックアップが大切であること」をセットで教育してくれる人、場所、機会がまだまだ少ないと思います。

そんなとき、DQを先生にして、先生から教わるというのは悪くない考えだと思います。
DQで感じた「いのりのゆびわを失いたくない」という気持ちが実生活にそのまま生きます。
ゲームでは、「壊れたらリセット」の方法を使えばいのりのゆびわを失くさずに済みますが、人生にリセットボタンはありません。「いのりのゆびわを増やす方法」(買い溜め)(増殖裏ワザ)を覚えることが、データ保護に近づく第一歩です。

電子データの複製の性質「★速い ★簡単 ★多くの場合無料」を生かして、複数の場所に重要なデータの複製を置くようにするのがおすすめです。簡単に複製できてしまうことは怖いことでもあるので、記憶媒体や電子ファイルを「悪い人が近寄れない」「悪い人が持ち出せない」「悪い人には開けない」状態に保つことが大切です。

本当にどうでもいいことですが、わたしは、これまでのエントリで引用したセリフ「ひとときの うつくしさ~」「あなたがたの たびのおもいで~」や、この「いのりのゆびわ」のイベントから、この女王様は実ははかないものを誰より大切にしている人物で「はかなくとも いきるものは うつくしい」という考えを持っていると思います。
あらゆるものを切り詰め切り詰め開発された作品のDQIIIで、この人物やいのりのゆびわのイベントやセリフを没にしなかったということは、制作者にとってもよほど重要な存在に違いありません。ひょっとしたら、ラスボスの超有名なセリフの対極としてさりげなく用意された存在なのかもしれません。

長くなりすぎましたので、整理します。
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ドラクエで考えるデータ保護
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一、「記憶媒体≒いのりのゆびわ」と心得ましょう。
   (もろい。いつか必ず壊れる。劣化や破壊の正確な予測はむずかしい。)
二、「バックアップを取ることがデータ保護の第一歩」と心得ましょう。
   (大事なアイテムは、2個以上に増やします。)
三、 バックアップを複数の場所に取りましょう。
   (1か所でも生き残れば、また増やせます。)
四、 コンピューターも記憶媒体も、「日々のお手入れが大切」と心得ましょう。
五、 悪い人に盗まれない、盗ませない保管環境にしましょう。

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「ドラクエで考える」という考え方から離れてみても、普段使っている記憶媒体についての予備知識をまず持ち、そして、「はかないものをどうやって大切にするか」を考えること、そのきっかけを作っていくことが、ビジネスにおいてもプライベートにおいても、データを二度となくさないためのスタート地点(第ゼロ歩)になると思います。

20年以上の時を超え、アイテムや登場人物から、このようなことをあらためて考えさせてくれたDQという作品は、本当に魔法のような作品だと思います。
DQシリーズ作品を遊んでいるご家族が、バックアップ製品やセキュリティ製品について話し合うようになったり、パソコンショップへお買い物へ行く機会が増えたらうれしいです。また、ロト三部作をプレイした方々(特にぼうけんのしょが消えたことのある方々)が、記憶媒体やコンピューターを大事にすることの大切さ、データのバックアップの大切さを広めていってくれるきっかけになればうれしいです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

後編は【その2・バックアップの心得】(最終回)の予定ですが、かなりムリヤリ感が出そうです。バックアップ体制はバッチリという方には、確実に時間の無駄になります。くだらないネタやどうでもいいネタでも耐えられるという方はご期待ください。

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